吾輩はカエルである

カエル
29・06・06
吾輩はカエルである

名前はまだ無い。

どこで生まれたか多分近所にある田んぼであろう


いつの間にか苔玉を入れたガラス容器の隅っこに等身大の穴ぐらを空けて住みついていた
苔玉の周りの伸びたスギゴケをかき分けて作った住み家は、植木の管理人がたえず水やり
をするので居心地が良い
昨日は日よけの寒冷紗ネットが天井に張られ夏の暑さにも大丈夫そうだ

穴ぐらにいつも引きこもりっ放しでは無い
時々は外出もするし 空腹も満たさなければ生き
て行けない

どこへ行くかって?
人間達にはわからない生き方さ
カエルの勝手よ
吾輩カエル達の行動範囲は広いぜ

考えて見れば理解出来るはず
オタマジャクシから育ってカエルになるのは田んぼでしかないぜ
どこかの空き地でオタマジャクシの繁殖を見た事ありますか?


一番近い田んぼでも数百メーターもあればちっこいカエルがドンだけ命張って人間様の住ま
いにたどり着くか?

梅雨が始まり田植えの終わるこれからの季節 田んぼ近くの道にどれほど仲間が無残な姿
で潰されているか

過酷な生き様は人間達には理解出来るかな?